早瀬利之の夜明けのゴルフ/全英オープンミレニアムタペストリー

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早瀬利之の夜明けのゴルフ

初夏の夜明け◆セント・アンドリューズ

“ゴルフは上がって何んぼ”の世界。しかし不意のミスに大叩きもする。ただし努力すれば「夜明けは近い」。ここに取り上げるエッセイは筆者がプロたちから聞いたアイデア、チェック方法などを披露します。

「夜明けのゴルフ」Vol.27以降は「ゴルフTC」へ移行いたしました

「夜明けのゴルフ」Vol.27以降はインターネットマガジン「Golf TC」内、連載コーナーへ移行いたしました。
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早瀬利之プロフィール


ジュリ・高松のゴルフマガジン 早瀬利之の「夜明けのゴルフ」

Vol.26 70歳にしてアイアンを変えてみた

きのう1月12日、弟子二人を連れて神奈川県茅ヶ崎海岸にある茅ヶ崎GCに行く。文藝春秋社では上期の芥川賞候補の選考に入っていたが、「今回はいいのがない」と情報をA君から聞く。「コンピューターで書き上げる小説の欠点が目立つな」と私論をブツと、A君は「そういわれてみれば」と頷く。「だいいち、若い人が使わない戦前用語を引き出して表現しているが、あれはコンピューターで見つけた用語ではないか。芥川龍之介が泣くぞ」とまで言いたかったが、それ以上は、スタート時間が迫っていたので引っ込めた。

さて、A、Cの両君は初ラウンドでコチコチ。C君は前夜校了あけでフラフラ。「朝起きれるかずっと心配でした」と言ってアドレス。なるほど、自信がないときは、守ろうとして人間は前傾姿勢になるものだ。自信満々の人は胸を張れるから直立型になる。A、C君ともこの世の者とは思えぬ前傾姿勢。

A、C君は共に東大仏文の先輩後輩の関係。「おい、C。もっと振り抜くんだ!」と先輩のA君がアドバイス。高校はA君はラサール、C君は栄光学園。東卒生は友情は皆無い、むしろ高校の同級生仲間の方が楽しく語れるそうだ。

幸い、文藝春秋社の社風は昔から大学校風があって、自由がある。皆んなが働いて、皆んなで利益を分配しようと社員一丸となる。売上げはガラス張りだから、責任は社員一人一人にあるから、団結する。

いずれ「マスコミ文化論」にふれるとして、今回はゴルフ。「ゴルフは天職」と喜ぶ私は、仕事に関係なくゴルフでは教える側。それだけに責任もある。今回の茅ヶ崎GCは、平田支配人に無理を承知でお願いして、朝の8時20分にスタートした。

このゴルフ場は9ホール。設計はアリソンの系統を継ぐ上田治。京大農学部林学科出で、廣野GCで芝張りをやるから、アリソンの図面どおりに工事した一人。いわば一の弟子だ。だからバンカーは深くて大きい。入ったら地獄。ただし、一度プレーするとバンカーショットには自信がつく。

わずか9ホールだが、ティグラウンドを変えてアウト、インに分けて2回ラウンドしてパー70となる。同じグリーンを2回攻めるわけだが、ルートと長さが変わるので、結構大変である。2打目の位置も変わるので楽しい。

後続は鎌倉・逗子地区の医者のコンペ。「今日は倒れても大丈夫だな。医者の方から駆けつけてもらえるよ」と三人で爆笑。それがいけなかった。私は16回、バンカーに掴まった。グリーンの前後、左右は深いバンカーだから、ミスショットは間違いなくバンカーに入る。「練習なしでプレーじゃ、上達する訳がないだろう」とバンカーに笑われた。しかも一発では脱出しないから回数は30発か。形状たるや川奈・富士コースのバンカーどころではない。目も顔も靴も砂だらけ。自然の海砂だから、パウダー状。進行も遅れる。

見るとカードホルダーには「コース・ハウス内ではエチケットを守りましょう」「自分のショットの跡は自分で後始末。特にバンカーは必ず均しましょう」「自分がつけたグリーン上のボールマークは必ず修復しましょう」「すべては後続組への思いやり!エチケット委員会」と書いた1枚の紙が入っていた。

これを読むことで初心者はマナーを知る。たったの9ホールだが、午後からワンラウンドできるなど入場者数は18ホールのゴルフ場を上回る。その人たち全員がマナーを心得るとは思わないが、「知る」ことはできたわけで、他のゴルフ場にも、この方法を勧める。ちなみにスコアは92。バーディなし。原因はカーボンのアイアンに変えたのがよくない。音も悪く、バランスも悪い。けど今年は70歳になったから、このクラブで戦ってみようと思う。

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